Webサイトが「負債」に変わる瞬間。リニューアル先延ばしで失うもの。

はじめに：「節約」のつもりが「損失」を生んでいませんか？

「Webサイトのリニューアル、そろそろ必要かなとは思うけれど…」「まだ表示はされているし、特にクレームもないから、来期でいいだろう」

そのように判断し、リニューアルを先延ばしにした経験はありませんか？経営者として、コストを抑えたいと考えるのは当然のことです。

しかし、Webサイトにおいては、その「先延ばし」という判断が、実は会社にとって最も高価なコストになっている可能性があります。

Webサイトは、作った瞬間から少しずつ劣化し、ある時点を境に、利益を生む「資産」から、利益を食いつぶす「負債」へと変わります。

恐ろしいのは、この「負債化」がサイレント（静か）に進むことです。工場の機械のように、煙を吹いて止まるわけではありません。ただ静かに、しかし確実に、貴社の信頼と売上を削り取っていきます。

この記事では、Webサイトが「負債」に変わる決定的な瞬間と、リニューアルを先延ばしにすることで経営者が失っている3つのものについて解説します。

Webサイトは、以下の兆候が現れた瞬間から、プラス（資産）ではなくマイナス（負債）の存在になります。

ご自身のスマホで自社サイトを開いてみてください。文字が小さくて読めない、ボタンが押しにくい、拡大縮小しないと全体が見えない。もし少しでも「面倒だ」と感じたら、その瞬間にサイトは負債化しています。

今の時代、B2Bの顧客も求職者も、スマホでの閲覧が当たり前です。スマホ未対応のサイトを公開し続けることは、「ウチは時代遅れの会社です」という看板を掲げ続けているのと同じです。

「お知らせを更新したいが、制作会社に依頼するのが手間だ」「パスワードが分からず、誰も触れなくなった」

更新が止まった瞬間、サイトは「生きた情報源」から「情報の墓場」に変わります。古い情報は顧客を混乱させ、問い合わせの機会を奪います。管理できないシステムにお金を払い続けること自体が、無駄なコスト（負債）です。

セキュリティ対策（SSL化など）が追いついておらず、ブラウザのアドレスバーに警告が表示される。これは、お客様に対して「この店は鍵がかかっていませんよ」と言っているようなものです。企業の信頼を守るべきサイトが、逆に信頼を破壊するツールになってしまっています。

リニューアル費用（数百万円）を節約したつもりでも、その裏ではそれ以上の損失が発生しています。

「未来の売上」を失っている（機会損失）本来なら問い合わせてくれたはずの見込み客が、古いサイトを見て離脱し、競合他社に流れています。月1件の問い合わせを逃しているとしたら、年間でどれだけの損失になるでしょうか？リニューアル費用を軽く超えるはずです。
「優秀な人材」を失っている（採用損失）「この会社で働きたい」と思って検索してくれた求職者が、古臭いサイトを見て幻滅し、応募をやめています。採用コストの高騰や、人手不足による事業停滞のリスクを招いています。
「社会的信用」を失っている（ブランド毀損）「Webサイトすらまともに管理できない会社」というレッテルは、既存の取引先や金融機関からの評価にも影響します。一度失った信用を取り戻すのは、リニューアルするよりも遥かに困難です。